岡山県・香川県のこだわり生産者さん

里海の資源・カキ殻を使用した安心・安全な農産物で瀬戸内海を守り続けます。

瀬戸内かきがらアグリ推進協議会

瀬戸内かきがらアグリ推進協議会
協議会に加入している 仁木ライス 仁木紹祐さん
2021年8月19日

食を通じて瀬戸内の資源循環につなげる

食を通じて瀬戸内の資源循環につなげる

瀬戸内海に面している岡山県で盛んに養殖されている冬の味覚・カキ。その収穫量のうち約8割がカキ殻にあたり、発生した殻は漁業系廃棄物として処分する必要があります。
各産地で様々な活用方法が模索されている中、大量のカキ殻を有効利用し環境保全につなげようと、2018年にJA全農おかやまをはじめ、県内の自治体や企業・団体などおよそ50会員で構成する「瀬戸内かきがらアグリ推進協議会」が設立。
カルシウムなどのミネラルを多く含んでいるカキ殻を肥料として使い育てた農作物を「瀬戸内かきがらアグリ認定商品」として、製品化しています。認定商品には、いずれも「里海」の名が付いています。
その名前には、岡山県備前市日生(ひなせ)町の日生湾で長年、里海の環境保全のために、地元の漁業関係者が取り組んでいるアマモの再生活動への敬意が込められています。中でも、認定商品「里海米」は、プロジェクトに賛同した県内各地の生産者によって手掛けられているもので、2020年産の生産量は2,267トン(3万7777俵)にのぼり、年々生産量が増えています。
岡山県北東部に位置する温暖な気候の津山市でお米作りに励む仁木ライス・仁木紹祐さんも、プロジェクトに賛同し、里海米を生産する一人です。

おいしいお米は土づくりから

おいしいお米は土づくりから

就農して28年になる仁木さんは、昔から家族で大規模な水稲栽培を展開していて、あわせて20ヘクタールの圃場(ほじょう)でコシヒカリなど3品種のお米を栽培しています。
おいしいお米を育てるためには、まず土づくりが大切。
日本では雨が多いため、土の中のアルカリ成分が流れ出してしまい、ほとんどが酸性寄りの土壌になっています。
そのままでは稲に十分な栄養素が行き渡らないため、作物の生育に適した土壌に改良する資材が必要となってきます。
仁木さんは、昔から牛糞やわらなどを利用し土づくりをしていましたが、夏の暑い時期に散布する必要があるため多大な労力がかかり、使用し続けることが難しくなっていました。

その時に出会ったのが、有機石灰の「カキ殻」

その時に出会ったのが、有機石灰の「カキ殻」。
稲刈り後、トラクターで散布するため、以前よりも手軽に作業を進めることができ、健康で強い稲の栽培につながりました。
「環境配慮という一面もありますし、津山市という中山間地域で海洋性の資材を使ってお米作りできることが、非常に新鮮」と話す仁木さん。
2019年には、協議会設立当時から生産部会副部会長を務めていた父の跡を継ぎ、里海米の生産に力を注いでいます。
岡山県内を中心に県外にも販売を展開している里海米。里海の資源・カキ殻を使用した安心・安全な農産物で生産者と消費者をつなぎ、瀬戸内海を守り続けます。

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